カセンジキー☆blog

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認知症の行方不明者の報道

雨は上がって少し冷んやり。JR神戸線を走る電車は今日も、夙川を越えて西へ東へ。雨水は海へ、人は家路へ。今日もお疲れ様です。f:id:kasenjikey:20230622200122j:image

今日のYahoo!のトップ記事に「認知症の行方不明者が増加」という記事がありました。去年1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者はおよそ1万8700人で、統計を取り始めた2012年以降、この10年間でほぼ倍増している、とのこと。詳しくは記事をみてね。https://news.yahoo.co.jp/articles/21780152d8ac61920b91a6ea80eb71d8be359464

介護関係の仕事をしていると、認知症の方が行方不明になられる話しはよく耳にします。だいたいは、発見できて良かった〜という話し。でも時に発見が遅れたという辛いケースもある。私がケアマネをしていた数年前…私が相談を受けたケース。『地方の田舎にいる母親が認知症で独居なので、私が住んでいる居所へ呼び寄せたい』。よくある相談です。契約をして、あと2日で引っ越し、という時にご家族様から電話があり、外出中に川に転落されてお亡くなりになられた…と。認知症による物忘れや認知機能低下により徘徊(ひとり歩き)をされ、転落されたそうです。私の心に大きな影を落とす出来事でした。引っ越される日にアセスメントする予定だったので、ご本人様にお会いすることはなく終了しました。何かできることはなかったか、と色々と考え無力感に苛まれました。今日の報道を見ると、そんな感情を思い出します。

認知症により徘徊(ひとり歩き)されている人がおられても、なかなかわからないものです。気づかないものです。転倒されている、あるいは夜中に幹線道路沿いに座っている、というわかりやすいシチュエーションなら声を掛けやすいですが、発見するのは時間と場所を問いますね。発見するのは介護のプロより、警察の皆さんです。警察はさすが人を観察するプロ。警察の方には何度もお世話になっています。

認知症の行方不明者の問題は、複合的な課題が絡み合い難しい社会問題です。でも「認知症の人が行方不明になるケースが多かなっている」ということを社会が認識して、「世間の目を育てていく」ことが大切ですね。今日の報道も、世間の目を育てるという意味では、とても良い報道、問題提起だったのではないでしょうか。Yahoo! ニュースはみんな観るし、いい報道をトップにされました。まずは世間で共通認識をもち、世間の目が育ち、誰もが認知症の人に思いを馳せる心があれば、より良い社会になると思います。ネガティブな報道をネガティブに感じることなく、未来を見て、より良い社会を目指しましょう。